きょうのNY為替市場、NY時間に入ってドル円はやや伸び悩む動きが見られたものの107円台は維持した。市場が感染第2波へ懸念を強める中でドル買い戻しが活発に入り、ドル円は円高を凌駕して上昇。きょうは一時107.45円付近まで上昇する場面もみられた。ただ、NY時間に入ると下落して始まった米株や原油が上昇に転じたことから、リスク回避のドル買いも一服し、ドル円も戻り売りで伸び悩んでいる。
取引開始前に米新規失業保険申請件数が発表されていたが、148万件と予想以上の件数となった。前回分も154万件に上方修正されている。数字自体は減少が続いているものの、その減少ペースは期待ほど早まっておらず、経済再開後も依然として企業が採用に慎重になっていることが示された。
感染第2波については、テキサス州のアボット知事が経済活動再開の次のフェーズへの移行を一時停止すると発表するなど懸念は依然として強い。
ここに来て経済再開に楽観的過ぎた市場も慎重さを取り戻している。ただ、回復への期待感も依然として温存している状況で、今週のドル円は106円台前半まで一時下落していたが、行き過ぎた動きから指定位置に戻り、次の展開を見極めたいといった印象が強い。
ユーロドルは戻り売りを強め、一時1.11ドル台に下落する場面もみられた。NY時間に入ってドル買いも一服し、ユーロドルも1.12ドル台に戻しているものの上値は重い印象。きょうの下げで21日線を下放れる展開が見られており、明日以降の動きが警戒される。目先の下値サポートとしては22日安値の1.1170ドルが意識。
きょうは今月3、4日に開催されたECB理事会の議事要旨が公表されている。債券購入は景気を刺激する手段として最適であり、副作用を抑える仕組みも組み込まれていると論じた。量的緩和(QE)に対するドイツ憲法裁判所の判断の根拠に真っ向から反論する議論を展開している。従来からの資産購入プログラム(APP)と新たに導入したパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)はいずれも、物価安定維持の目標に見合った措置としている。
ポンドドルも一時1.23ドル台に下落する場面が見られたものの、1.24ドル台は維持されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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