サプライズ据え置きでリラ売り再開。史上最安値を再び更新 今週のレビュー(10/19−10/23) 今週のトルコリラ円相場は、週初13.28円で寄り付いた後、 Original
サプライズ据え置きでリラ売り再開。史上最安値を再び更新 今週のレビュー(10/19−10/23) 今週のトルコリラ円相場は、週初13.28円で寄り付いた後、 Original
トルコ中銀は連続利上げせず、弱気サプライズで利上げ催促の最安値更新 〇トルコリラ円、10/22金融政策会合後13.08まで急落、史上最安値更新〇トルコリラ、対ドルでも7.97リラ台へ急落して史上最安値を更新〇10/22トルコ中銀政策決定会合、市場の予想に反し利上げ見送り、弱気サプライズでリラ急落〇13.30以下での推移中は一段安警戒とし、13.08割れからは13.00、12.90を段階的に試すとみる〇13.25超えからは13.30手前への上昇を想定するが、13.25以上は反落警戒圏とする 【概況】 トルコ中銀は10月22日の金融政策会合で主要政策金利の週間レポレートを現行の10.25%に据え置いた。利上げ見送りを受けてトルコリラ円は13.08円まで急落して史上最安値を更新した。急落一服でその後は13.10円台後半を中心として揉み合いとなっているが、売り材料一巡による買い戻しというよりも下げ一服にとどまっている印象だ。対ドルでは発表前の7.77リラ台から7.97リラ台へ急落して史上最安値を更新した。急落一服で発表直後の安値をその後は更新していないものの7.90リラ台の安値圏に留まっている。 【トルコ中銀、利上げせず、その他リラ安要因も継続】 トルコ中銀は9月24日の前回会合で政策金利を2.0%引き上げた。リラ安が進行する中でもエルドアン政権が利上げを拒むであろうとの見方から市場は現状維持を想定していたために予想外の大幅利上げを強気サプライズとしてトルコリラ円は直前の13.60円近辺の水準から13.93円へ急伸、翌日の25日には14.01円まで高値を更新した。しかし9月27日のナゴルノ紛争ぼっ発により28日には13.28円まで急落して史上最安値を更新、中銀の利上げによる上昇を一挙に解消してしまった。その後もナゴルノ紛争長期化、ロシア製ミサイルシステムの実射実験、東地中海ガス田探査を巡るEU・ギリシャとの対立等、地政学的リスクの増大でリラ安基調が継続してきたため、今回の中銀会合では2会合連続の利上げによりリラ防衛姿勢を示すのではないかと市場は予想していた。しかし中銀は利上げを見送った。中銀は声明で「世界経済の回復をめぐり不確実な状況が続いている」としたが、トルコ国内のインフレ進行に対しては前会合での利上げにより「かなりの金融引き締めを実現した」として現状維持を決定したとした。 トルコリラ安の背景は、トルコの外貨準備高減少、経常収支悪化とコロナ不況の長期化、政策金利が消費者物価上昇率を下回る実質マイナス金利状態、東地中海ガス田探査を巡るギリシャ・EUとの対立、ナゴルノ・カラバフ紛争への介在、NATO加盟国にもかかわらずロシア製ミサイルシステム導入による欧米との対立等である。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は続き、欧州の第二波、米国の第三波の拡大によりトルコ経済への打撃も大きく、特に観光収入の激減が続いている。トルコ国内の感染者数も1日の増加数が2千人を超える規模まで増加しており第二波へ入っている印象が強まっている。コロナ不況からの回復が遅れれば外貨準備不足はさらに深刻化して欧米投資家のリラ放れ、国内投資家のリラからハードカレンシーへの逃避が進む。ギリシャ沖ガス田探査問題も一度はギリシャとの協議による緊張緩和の兆しもあったがここにきて再び緊張感が増している。 ナゴルノ紛争についてはロシアの仲介によりこれまで二度の停戦合意がなされたもののいずれも停戦合意発表直後から戦闘が続いており解決の目途がつかないが、22日も激しい戦闘が発生している。23日にはポンペオ米国務長官がアゼルバイジャン、アルメニア両国の外相と会談する予定とされているので米政府による仲介が功を奏する可能性もあるが、アゼルバイジャンを兄弟民族として支援するトルコの強硬姿勢は変わらないと思われ、アゼルバイジャンの石油や天然ガスのパイプラインへの攻撃などによる紛争規模のエスカレートも懸念される。こうした状況の中で中銀が利上げを見送ったため、市場は一層の利上げ催促的なリラ売りへ動くことになるのだろう。 【60分足一目均衡表・サイクル分析】 概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月15日夜安値を直近のサイクルボトムとして上昇してきたが、21日午後高値13.44円と22日の中銀政策金利発表前の高値13.42円をダブルトップとして下落期に入った印象だ。22日夜安値の後は下げ渋りの持ち合いとなっているので、安値更新を回避した動きが続けば、22日夜安値が直近のサイクルボトムとなる可能性があるが、底割れすれば新たな下落期入りとして27日夜から29日夜にかけての間へ続落しやすくなると思われる。強気転換には13.30円を超える反騰が必要と思われる。 60分足の一目均衡表では22日夜の急落で先行スパンから転落した。このため強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとし、転落状態が続くうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後の悪化から下げ再開へ進むと考える。 60分足の相対力指数は22日夜の急落で20ポイント台前半まで急降下した。その後も30ポイント台での横ばい程度にとどまっているのでまだ一段安余地ありとみる。上昇再開には50ポイントに到達する反騰が必要と思われる。 以上を踏まえて当面のポイントを示す。(1)当初、10月22日夜安値13.08円を下値支持線、13.30円を上値抵抗線とする。(2)13.30円以下での推移中は一段安警戒とし、22日夜安値割れからは13.00円、12.90円を段階的に試すとみる。12.90円以下は反騰注意とするが、13.25円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。(3)13.25円超えからは13.30円手前への上昇を想定するが、13.25円以上は反落警戒圏としてその後の13.20円割れからは下げ再開とみる。 【当面の主な経済指標等の予定】 10月26日 16:00 10月景況感 (9月 105.3) 注:ポイント要約は編集部 キーワード: FX情報 為替市況 為替相場予想 チャート分析 シェア ツイート 追加 古い記事へ 関連記事 米ドル(USD)の記事 Edited by:上村 和弘 2020.10.23 ドル円見通し ドル全面安一服で21日深夜安値からの持ち直し続く(20/10/23) 21日深夜には104.343円まで急落したが、その後はドル全面安一服で持ち直しの動きに入っている。 米ドル(USD)の記事 Edited by:照葉 栗太 2020.10.23 ドル円、直近安値圏から持ち直す展開。本日は米大統領討論会がメインイベント(10/23朝) 22日(木)の外国為替市場でドル円は反発。 […]
トルコ中銀は連続利上げに踏み切れるか 〇トルコリラ円、21日夕刻に13.44まで上昇するも深夜には円高に圧され13.32まで反落〇対ドルでは、20日〜21日にかけてドル安感が強まる中続伸して21日深夜に7.78リラまで持ち直す〇本日、トルコ中銀政策決定会合あり、連続利上げの観測が強まり市場は12%への利上げを予想〇13.32以上での推移中は上昇余地あり、13.44超えからは13.50前後への上昇を想定〇13.32割れからは13.25前後の下落を想定 【概況】 トルコリラ円の史上最安値更新を続けてきたが、10月15日夜安値13.21円からは持ち直しの動きに入り、10月21日夕刻には13.44円まで上昇して15日夜以降の高値を更新、10月9日深夜の戻り高値13.48円に迫った。しかし21日の為替市場はドル全面安の様相となり、ドル円が105円を割り込んで104円台序盤へ急落する一方、ドル安により対ドルでトルコリラの反騰が続いて強弱が交錯する状況となる中で21日深夜には円高に圧されて13.32円まで反落した。21日深夜以降はドル円の急落が一服してやや戻したことでトルコリラ円も下げ一服となり13.30円台後半でしっかりしている。 【ドル全面安で急激な円高圧力】 ドル円は10月21日深夜に104.34円まで急落した。20日からユーロドルが独歩高に入り、21日は英国とEUのFTA協議再開報道からポンド/ドルが急伸、豪中銀の利下げ見通しで下げていた豪ドル米ドルもドル全面安を反映して反騰入りするなどドル安感が急激に強まったが、ドル円も21日夕刻には10月15日朝安値及び105円を割り込んでから売りの連鎖反応となり104円台序盤へ大幅下落となった。10月15日安値を割り込んだことにより、9月21日に104円割れしたところからの戻りは10月8日高値で一巡となり、下落再開に入ってきた印象だ。9月21日安値103.99円を割り込むと先安感も強まって円高が加速しかねず、その際はトルコリラ円にとっても大きな売り圧力となりかねないと注意したい。 【ドル全面安で対ドルでのトルコリラは反発】 トルコの外貨準備高減少、経常収支悪化とコロナ不況の長期化、政策金利が消費者物価上昇率を下回る実質マイナス金利状態、東地中海ガス田探査を巡るギリシャ・EUとの対立、ナゴルノ・カラバフ紛争への介在、NATO加盟国にもかかわらずロシア製ミサイルシステム導入による欧米との対立等、トルコリラ売り要因が目白押しとなる中でトルコリラは対円及び対ドルでの史上最安値更新を続けてきたが、対ドルにおいては10月14日夕刻に7.95リラの最安値を付けた後はナゴルノ紛争などによる売り一服となり、10月22日のトルコ中銀金融政策会合での連続利上げ観測が浮上する中で上昇に転じ、20日から21日にかけてはドル安感が強まる中で続伸して21日深夜には7.78リラまで持ち直してきた。依然として史上最安値近辺での推移ではあるが、22日のトルコ中銀が連続利上げに踏み切り、ナゴルノ紛争が落ち着くならば、リラ売りもいったん収まる可能性がある。 【トルコ中銀金融政策決定会合、ナゴルノ紛争両国の停戦動向】 10月22日にトルコ中銀の金融政策決定会合がある。先の9月会合では4会合ぶりに利上げに踏み切り、利上げ幅も2.0%と大きかったことで現状維持とみていた市場にとってはサプライズとなってトルコリラはいったん急伸した。しかし直後の9月27日に勃発したナゴルノ紛争から急落に転じ、中銀利上げ前の水準を割り込んで最安値更新へと進んだ。22日のトルコ中銀金融政策決定会合では、当初は連続利上げには進まずに現状維持に留まるのではないかとの見方が有力だったが、この1週間で連続利上げ観測が強まっており、市場は12%への利上げを予想している。予想以上の利上げ幅になればトルコリラには強気サプライズとなりトルコリラ円も大きく反騰する可能性があるが、予想を裏切る小幅な利上げに留まる場合は一時的な上昇反応があっても早々に失速する可能性があり、現状維持だと弱気サプライズとなって急落商状に陥ることも懸念される。 ナゴルノ紛争を巡ってはアルメニアのサルキシャン大統領がNATOやEUと協議するため21日にブリュッセルに向かった。NATOのストルテンベルグ事務総長やミシェルEU大統領と会談する予定とされる。ロシアのプーチン大統領とフランスのマクロン大統領は10月20日に電話会談を行い停戦への協力姿勢を示した。また23日にはアルメニアとアゼルバイジャン両国の外相がポンペオ米国務長官とワシントンで会談すると発表されている。紛争終結ないしは紛争拡大阻止へ向けての国際的な圧力も増している状況だ。 ただし、エルドアン大統領は21日に「目と心を我々に向けている同胞全員と共にあり続ける。我々は東地中海で我が国とキプロス島トルコ人の権利をはく奪する者らに屈しなかった。アゼルバイジャンが占領下にある領土を奪還しようとしていることも支持している。我が国民の独立と未来に伸びる手を全て折る」と述べており、東地中海問題及びナゴルノ紛争での強硬姿勢を改めて表明している。トルコ中銀が市場の予想に応えて連続的な大幅利上げへ進み、ナゴルノ紛争が落ち着くなら、これまで史上最安値を更新し続けてきたトルコリラも大きく持ち直しに入る可能性もあるところだが、両問題で失敗するとさらなるリラ安を招いて通貨危機を発生させかねないという状況でもあるだろう。 【60分足一目均衡表・サイクル分析】 概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月15日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして22日のトルコ中銀金融政策会合前後への上昇を想定してきたが、21日夕高値からいったん反落したため、21日夕高値を上抜き返す場合は新たな強気サイクル入りとするのを妥当とみて21日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は22日夜にかけてまでの間とするが、政策金利発表から下落基調が続く場合は来週前半への下落継続とし、21日高値を上抜くところからは新たな強気サイクル入りとして26日から28日にかけての間への上昇を想定する。 60分足の一目均衡表では21日夜の反落では先行スパン転落を回避しているが遅行スパンが悪化している。先行スパン転落を回避するうちは遅行スパン好転から上昇再開の可能性ありとみるが、先行スパン転落からはもう一段安へ進むとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。 60分足の相対力指数は21日夜の下落時に40ポイントを割り込んだがその後は50ポイント前後での推移に落ち着いている。再び40ポイントを割り込む処からは下げ再開とみて20ポイント台への低下を伴う下落を想定するが、60ポイント超えからは上昇再開の可能性ありとみる。 以上を踏まえて当面のポイントを示す。(1)当初、10月21日夜安値13.32円下値支持線、21日夕高値13.44円を上値抵抗線とする。(2)13.32円以上での推移中は上昇余地ありとして13.44円超えからは13.50円前後への上昇を想定する。政策金利発表から急伸の場合は13.60円前後へ上値目途を引き上げる。また21日夕高値を超えた後も13.40円以上での推移なら23日も高値試しへ向かいやすいとみる。(3)13.32円割れからは13.25円前後への下落を想定する。政策金利発表から急落商状の場合は13.20円前後へ下値目途を引き下げ、23日への続落を想定する。また13.30円以下での推移なら23日も安値試しへ向かいやすいとみる。 【当面の主な経済指標等の予定】 10月22日 16:00 10月消費者信頼感指数 (9月 82.0、予想 79.0) 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 10.25%、予想 12.0%) 20:30 週次外貨準備高 (10月9日時点 411.2億ドル)10月26日 16:00 10月景況感 (9月 105.3) キーワード: FX情報 為替市況 為替相場予想 チャート分析 シェア ツイート 追加 古い記事へ 関連記事 米ドル(USD)の記事 Edited by:上村 和弘 2020.10.22 ドル円見通し 105円割れから大幅下落、ドル全面安・米トリプル安の流れ?(20/10/22) ドル円は10月21日夕刻の下落で10月15日朝安値105.03円を割り込んで一段安に入ると売りの連鎖反応で21日深夜には104.34円まで急落となった。 米ドル(USD)の記事 Edited by:照葉 栗太 […]
10月22日のトルコ中銀金融政策発表前の買い戻し続く 〇トルコリラ円、20日夜13.41まで戻り高値を切り上げ、高値圏維持〇対ドルでは、21日早朝に7.84まで戻し20日朝高値を上抜く〇22日の金融政策決定会合、現行の10.25%から12%へ2会合連続利上げの見方強まる〇アルメニアとアゼルバイジャン両国外相、ポンペオ米国務長官と23日にワシントンで会談〇13.33以上での推移中は13.45前後への上昇を想定、13.45以上は反落注意〇13.33割れなら13.30割れ試し、なお続落なら13.27前後へ下値目途を引き下げる 【概況】 トルコリラ円は史上最安値更新を続けてきたが、10月15日夜安値13.21円からは持ち直しの動きに入っている。トルコリラを巡る売り材料は目白押しだが、連日の史上最安値更新により材料の折り込みも進む中で10月22日のトルコ中銀金融政策決定会合において利上げの可能性が強まってきたとの市場心理を反映し、ひとまずポジション調整的な買い戻しの動きに入っている印象だ。10月20日夜はドル円の上昇とユーロ高ドル安による対ドルでのリラ安一服感もあり13.41円まで戻り高値を切り上げ、その後も13.40円を挟んで高値圏を維持している。対ドルでのトルコリラは10月14日夕刻に7.954リラまで史上最安値を更新したが、16日夜安値は7.953リラにとどまってダブル底型を形成、10月9日夕刻安値7.952リラも含めればトリプルボトム型を形成して上昇に入り、21日早朝には7.84リラまで戻して20日朝高値を上抜いている。 【10月22日のトルコ中銀金融政策決定会合迫る】 10月22日にトルコ中銀の金融政策決定会合がある。9月会合で4会合ぶりに利上げに踏み切り、利上げ幅も2.0%と大きかったことで市場もトルコリラに対する強気サプライズ反応を示したが、9月27日に勃発したナゴルノ紛争による地政学的リスクの高まりで利上げによるリラ上昇分が吹き飛んで対円及び対ドル等での史上最安値更新に陥った。今回の会合については当初は現状維持との見方が濃厚だったものの、現時点では現行の10.25%から12%へ2会合連続の利上げを決定するのではないかとの見方が強まっている。仮に連続利上げならトルコリラにとっては再び強気反応となるだろうが、連続利上げが見送られる場合は逆に弱気反応が大きくなる可能性もある。ナゴルノ紛争も泥沼ではあるが停戦へ向けた動きも出ている中で連続利上げへ踏み切り、紛争もいったん落ち着くようならリラ買い戻しの動きも強まる可能性のあるところだ。 【ナゴルノ・カラバフ紛争、米国も介入】 ロシアのプーチン大統領とフランスのマクロン大統領は10月20日にナゴルノ・カラバフ紛争について電話会談を行い、両国が再び停戦交渉をする必要があるとの考えで一致したと報じられた。仏露首脳はナゴルノカラバフ地域を巡る民族紛争の調停に向けて欧州安保協力機構(OSCE)が設置した「ミンスクグループ」の共同議長国を米国とともに務めている。アルメニアとアゼルバイジャン両国は20日、それぞれの外相がポンペオ米国務長官と23日にワシントンで会談すると発表した。両国の外相が同時にポンペオ長官と会談を行うのか個別会談となるのかは不明だが、米国も問題解決へのプレゼンスを強めようとしてきている印象であり、両国にとっても実質的な停戦へ向かいやすい外部環境となりつつあると思われる。 【60分足一目均衡表・サイクル分析】 概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月9日深夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとして13日夜から15日深夜にかけての間への下落を想定してきたが、15日夜安値からの反発が続いたために20日午前時点では10月15日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。また高値形成期は22日のトルコ中銀政策金利発表を前後するところまでとした。20日夜へ高値を切り上げてその後も確りしているのでまだ上昇余地ありとみるが、21日から22日午前にかけては買い戻し一巡からの調整安入りしやすいと注意し、20日午後安値13.33円割れからは政策金利発表前へ続落しやすくなるとみる。 60分足の一目均衡表では15日夜安値からの上昇が続いたことで遅行スパンは好転し、先行スパンも上抜いてきたが、その後も両スパン揃っての好転を維持している。このため遅行スパン好転中は高値試しを続けやすいとみるが、遅行スパン悪化からはいったん調整安に入るとみて安値試し優先とする。その際は先行スパン下限が下値支持線になりやすいとみる。 60分足の相対力指数は50ポイント前後を支持線としてしっかりしているが、70ポイント超えには進めずにいる。50ポイント台を維持するうちは上昇余地ありとし、50ポイント割れからはいったん調整安に入るとみる。 以上を踏まえて当面のポイントを示す。(1)当初、10月20日午後安値13.33円下値支持線、13.45円を上値抵抗線とする。(2)13.33円以上での推移中は上昇余地ありとして13.45円前後への上昇を想定する。13.45円以上は反落注意とするが、13.33円以上での推移なら22日午前も高値試しへ向かう可能性があるとみる。(3)13.33円割れの場合は13.30円割れを試すとみる。13.30円割れは買い戻しも入りやすいとみるが、13.30円割れから続落の場合は13.27円前後へ下値目途を引き下げる。 【当面の主な経済指標等の予定】 10月22日 16:00 10月消費者信頼感指数 (9月 82.0、予想 79.0) 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 10.25%、予想 12.0%) 20:30 週次外貨準備高 (10月9日時点 411.2億ドル)10月26日 16:00 10月景況感 (9月 105.3) 16:00 10月設備稼働率 (9月 74.6%) 注:ポイント要約は編集部 キーワード: FX情報 為替市況 為替相場予想 チャート分析 シェア ツイート 追加 古い記事へ 関連記事 米ドル(USD)の記事 Edited by:上村 和弘 2020.10.21 ドル円見通し 15日朝以降の上昇チャンネル支持線を試す(20/10/21) ドル円は、20日夜105.74円まで戻り高値を切り上げたが、深夜の失速では上昇チャンネルの下値支持線を試すところまで下げている。 米ドル(USD)の記事 Edited by:照葉 栗太 2020.10.21 ドル円、一時約1週間ぶり高値圏へ上昇するも結局反落。上値の重さが浮き彫りに(10/21朝) 20日(火)の外国為替市場でドル円は上昇。 […]
ナゴルノ紛争によるリラ売り一服、中銀の追加利上げ観測で買い戻しの動き 〇トルコリラ円、10/15夜の最安値更新以降、持ち直しの動きに入る〇対ドルも10/14夕刻の最安値更新以降持ち直し、ドル安リラ高の流れとなる〇10/22開催予定のトルコ中銀の金融政策決定会合、前回に続き連続利上げの見方強まる〇東地中海問題は深刻化が懸念、ナゴルノ紛争は二度にわたる停戦合意があり様子見に入る〇新型コロナ、トルコでも感染拡大第二波か、観光収入の回復の遅れを懸念〇13.30以上での推移中は上昇余地ありとして13.45前後への上昇を想定、13.45以上は反落注意〇13.30割れの場合は13.25前後への下落を想定するが、13.25前後は押し目買いされやすいとみる 【概況】 トルコリラ円の史上最安値更新が続いてきたが、10月15日夜安値で13.21円まで最安値を更新した後は持ち直しの動きに入っている。10月22日にトルコ中銀の金融政策決定会合があるが、前回の9月会合で4会合ぶりに利上げに踏み切り、現状維持と想定していた市場にとっては強気サプライズとなったが、今回の会合についても先週時点までは現状維持との見方が濃厚だったものの、週明け時点では現行の10.25%から12%へ連続して利上げするのではないかとの見方が強まってきている。 トルコリラ安の背景は外貨準備高不足、コロナ不況による経常収支悪化、消費者物価上昇率が政策金利を上回る実質マイナス金利状態の長期化、東地中海ガス田問題やロシア製ミサイルシステム導入に対する国際的批判や制裁の可能性、ナゴルノ・カラバフ紛争への介在等での地政学的リスクの増大などだ。このうち東地中海問題は拗れる可能性があるものの、ナゴルノ紛争については二度にわたる停戦合意もあって様子見に入りつつあり、当面する最大の問題がトルコ中銀による追加利上げで実質マイナス金利状態から抜け出せるかどうかというところに来ている印象だ。このため、先安感を優先して売り込んできた弱気筋が買い戻しの動きに入り始めているようだ。対ドルでのトルコリラも10月14日夕刻に7.954リラの最安値を付けた後は16日夜に7.953リラまで再び下げたものの最安値更新を回避し、その後は持ち直しの動きで7.86リラ台までドル安リラ高の流れとなり落ち着いてきている。 【東地中海問題、さらに拗れるか】 東地中海のキプロス島北部にある北キプロス・トルコ共和国(トルコのみ承認)では18日の大統領選で南側のキプロス共和国(ギリシャ系、国際的に承認されている)との再統合に否定的なエルシン・タタル首相が現職で統合積極派とされるムスタファ・アクンジュ氏を破って当選した。トルコのエルドアン大統領とタタル氏は良好な関係にあり、統合派が破れたことで現状のキプロス南北対立の継続と悪化、ギリシャとの対立関係の深刻化への影響が懸念される。EUは10月15-16日の首脳会議後の声明で、トルコの東地中海ガス田探査問題に対して「新たな一方的で挑発的な行動は遺憾だ」と非難し、EUは12月の首脳会議でこの問題を再び協議するとして制裁をちらつかせて牽制している。 【ナゴルノ・カラバフ紛争】 アルメニアのアルメン・サルキシャン大統領は自身の公式サイトで「ブリュッセルの全員(EU)にトルコに圧力をかけるよう呼び掛ける。トルコの行為はNATOの評判と基本的構想に損害をもたらす」とする大統領声明を掲載した。9月27日に始まった紛争はまだ続いている。アゼルバイジャンとアルメニアは10日にロシアの仲介によりいったん停戦合意したが、即日から戦闘を再開してきた。10月17日に再びロシアの仲介により18日午前0時(日本時間同5時)から「人道的停戦」で合意したと発表したが、その後も戦闘が続いているようだ。相場の材料としてはひとまず織り込んだ状況で、停戦破りがあるものの停戦の動きを見定めたいとし、さらにトルコの介在が鮮明化して国際的な孤立へ進まない限りは状況を見守るというスタンスになってきたのではないかと思われる。 【トルコも感染拡大の第二波か】 10月19日のトルコの感染者累計は前日から2026人増の34万9519人となった。死者は75人増で9371人に達した。感染増加数は5月6日の2253人増以来であり、6月2日に786人増まで急減して以降は漸増傾向にあったが、2000人を超えてきたことで感染拡大の第二波へ入り始めた印象だ。また死者の数も5月2日の78人に次ぐ水準であり、第一波時に匹敵する水準となり始めている。世界の感染者は4千万人を超えた。欧州の第二波においてもフランスやドイツなどは過去最大の増加数に達するなど、医療崩壊的な状況にはまだ陥っていないようだがかなり深刻な状況となり、経済活動や移動が再び規制され始めていることはトルコにとっても観光収入の回復の遅れへつながり影響が大きいと懸念される。 【60分足一目均衡表・サイクル分析】 概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月9日深夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとして13日夜から15日深夜にかけての間への下落を想定してきたが、15日夜安値からの反発が続いているので現状は15日夜安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りしていると思われる。高値形成期は22日のトルコ中銀政策金利発表を前後するところまでとみるが、13.30円以上での推移中は高値試しへ進みやすく、13.30円割れから続落に入る場合は下げ再開が疑われるところと考える。 60分足の一目均衡表では15日夜安値からの上昇が続いたことで遅行スパンは好転し、先行スパンも上抜いてきた。このため先行スパンからの転落回避中は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、両スパンそろって悪化するところからは下げ再開と考える。 60分足の相対力指数は50ポイント台でしっかりして上昇基調にある。当面は50ポイントを下値支持線として上昇余地ありとし、50ポイント割れからは下げ再開を疑う。 以上を踏まえて当面のポイントを示す。(1)当初、13.30円を下値支持線、13.45円を上値抵抗線とする。(2)13.30円以上での推移中は上昇余地ありとして13.45円前後への上昇を想定する。13.45円以上は反落注意とするが、13.30円以上での推移なら21日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。(3)13.30円割れの場合は13.25円前後への下落を想定するが、中銀金融政策発表も控えているので13.25円前後は押し目買いされやすいところとみる。 【当面の主な経済指標等の予定】 10月22日 16:00 10月消費者信頼感指数 (9月 82.0、予想 79.0) 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 10.25%、予想 12.0%) 20:30 週次外貨準備高 (10月9日時点 411.2億ドル)10月26日 16:00 10月景況感 (9月 105.3) 注:ポイント要約は編集部 キーワード: FX情報 為替市況 為替相場予想 チャート分析 シェア ツイート 追加 古い記事へ 関連記事 米ドル(USD)の記事 Edited by:上村 和弘 2020.10.20 ドル円見通し 105円割れ回避からのジリ高継続だが上値も重く膠着状態が長引くケースか(20/10/20) 16日早朝高値105.49円から19日午前には105.50円へわずかに高値を切り上げ、安値も16日昼安値105.19円から19日夜の小反落時の安値105.30円へと底上げしてきている。 米ドル(USD)の記事 Edited by:照葉 栗太 […]
トルコリラ円ショートコメント まず、先週の振り返りですが「テクニカルなターゲット13.10レベルをサポートに、前週の高値圏13.60レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは安値が13.22レベル、高値が13.43レベルと、値幅こそ狭かったものの史上最安値もわずかに更新する一週間となりました。 先週のトルコリラは、引き続き国内経済の低迷と隣国アゼルバイジャンとアルメニアとの間の紛争が重しとなっていますが、16日にはロシア製ミサイルS400の発射実験をした割にトルコリラは13.22を下回ることはありませんでした。ドルトルコリラで見ると7.96の手前で不自然な上値の抑えられ方をしていますので、当局がトルコリラを買い支えしていたと見られます。 今週は先週末のミサイル実験に対して欧州だけでなく米国からも非難の声が続きそうですし、トルコに対して制裁を行う可能性が高いバイデン前副大統領がリードする状況が続くとトルコリラの反発はなかなか考えにくいところです。 そして今週は注目のトルコ中銀の政策金利発表が22日に予定されています。コンセンサスでは今回は利上げを見込む向きが現状維持よりも多く、10月9日に実施したスワップレートの引き上げ幅が1.5%であったことから、政策金利も同様に10.25%から11.75%へと利上げが行われるという見方が多いようです。 ただ、史上最安値近辺で上値の重たい現在のトルコリラは、利上げを織り込んでの動きであるということを考えると利上げ後もトルコリラが反発する可能性はあまり高くないと見た方がよさそうです。 テクニカルにも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。 上値は以前から示しているレジスタンスラインと見ることも出来ますが、最近では同ラインよりも手前で売りが出て来ていることを考えると13.50が戻りの限界点というところです。いっぽうで下値はこちらも以前から上げている逆N波動を想定したターゲット13.10が視野に入ってきたと見ています。 今週はテクニカルなターゲット13.10レベルをサポートに、13.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。 キーワード: FX情報 為替市況 為替相場予想 チャート分析 シェア ツイート 追加 古い記事へ 関連記事 オーストラリアドル(AUD)の記事 Edited by:橋本 光正 2020.10.19 A$シカゴポジション(2020年10月13日現在) シカゴは豪ドルのロングを一気に減らしてきました。差引7,000枚のロングを落とし、ネットで3,800枚となり、ほぼスクエアとみて良いかと思います。 南アフリカランド(ZAR)の記事 Edited by:山中 康司 2020.10.19 ランド円レポート月曜版(2020年10月19日) 先週のランドは水曜まではほとんど動かず15日木曜の欧州市場序盤にやや下げました。 ニュージーランドドル(NZD)の記事 Edited by:橋本 光正 2020.10.19 NZ$シカゴポジション(2020年10月13日現在) シカゴはNZドルロングを前回に続き増やしてきました。差引1,400枚のロング増で、ネットで6,500枚に乗せてきました。 […]
最安値更新続く、リラ売り要因解消せず地政学的リスクも増大 〇トルコリラ円、10/15夜安値で13.21と最安値更新が続く〇トルコ、16日に黒海沿岸でロシア製ミサイルS400の試射を行なったか〇米国はS400と確認されれば強く非難すると述べるもトルコは肯定も否定もせず〇13.21を割り込まないうちは13.35-13.40台序盤を目指す可能性〇13.21割れからは13.10、13.00を段階的に試す下落期入りと考える 【概況】 トルコリラ円の史上最安値更新が続いているが、先週も10月15日夜安値で13.21円まで最安値を更新した、16日深夜には13.35円までいったん戻す場面もあったが終盤は再び失速している。9月25日のトルコ中銀による予想外の利上げにより13.60円前後の水準から9月25日午後には14.01円まで反騰したのも束の間に、9月27日に勃発したナゴルノ・カラバフ紛争により地政学的リスクが一挙に拡大したとして28日朝に13.28円まで急落、その後はやや落ち着いていたものの紛争は長期化し、11日にはいったん停戦に合意したものの停戦破りの戦闘が続いたためにリラの先安感が強まった。さらに東地中海ガス田開発に関するギリシャ・EUとの対立問題でもトルコが探査再開を強硬したことで再び関係が悪化、加えてトルコがロシア製ミサイルシステムの実射試験を強硬したことでの欧米による批判が高まるなど、トルコは自らがリスクを拡大させてリラ売り要因解消姿勢を示さない状況にある印象となっている。 【トルコの態度がかえってリラ売りを助長する】 トルコリラの下落背景は外貨準備不足を突かれてのリラ売り、コロナ不況と観光収入の激減及び経常収支悪化、トルコ中銀による利上げにもかかわらず実質マイナス金利状態が続いていること、地政学的リスクとして東地中海ガス田探査によるギリシャ・EUとの対立、ナゴルノ紛争への介在による国際的批判、ロシア製ミサイルシステム実射実験による欧米からの批判増大、それらを悲観した欧米投資家及び国内投資家のリラ放れである。EUは15-16日の首脳会議後の声明で、トルコの東地中海ガス田探査問題に対して「新たな一方的で挑発的な行動は遺憾だ」と非難した。ドイツのメルケル首相は会議後の会見で、「トルコの行動は非常に残念で不必要だ」と批判した。EUは12月の首脳会議でこの問題を再び協議するとしたが、10月1日の首脳会議においては「トルコがギリシャ、キプロスに対しさらに挑発的な行動を取れば制裁も辞さない方針」を確認している。トルコは9月末にギリシャとの直接対話で合意したものの対話姿勢をないがしろにする探査再開となっている。 トルコは16日に黒海沿岸でロシア製ミサイルシステムの試射を行った。トルコはNATO加盟国でありながらロシア製地対空ミサイルS400を導入したが、黒海沿岸の北部シノップでミサイル1発を発射した模様。米国はトルコによるS400調達はNATO防衛システムに対する脅威として批判しており、トルコのS400試射が確認されれば米国との緊張感も増すことになりかねない。米国務省のオルタガス報道官は、「S400と確認されれば、NATO加盟国、および米国の戦略パートナー国としての責任に背くものとして、最も強い言葉で非難する」と述べている。一報でトルコ国防省はミサイル試射について肯定も否定もしないと述べている。 アゼルバイジャンとアルメニアは10日にロシアの仲介によりいったん停戦に合意したが、即日から戦闘を再開してきた。10月17日に再びロシアの仲介により18日午前0時(日本時間同5時)から「人道的停戦」で合意したと発表した。しかしその後も戦闘が続いているとの報道が飛び交っている。ナゴルノ・カラバフ地区はアゼルバイジャン内にあってアルメニア人が大半を占めて共和国を名乗り実行支配している。トルコのエルドアン大統領は兄弟民族としてアゼルバイジャンを公然と支持・軍事支援をしておりナゴルノ・カラバフの奪還を目指す主張を繰り返している。トルコ政府は10月1日付けで外貨購入税の税率を1.0%から0.2%に引き下げた。外貨預金の増加に歯止めをかけるための規制強化策が却って投資家心理を悪化させてリラ安を招いたと考えての方針転換と思われる。また年内の措置として新規または更新されたリラ建て預金口座の源泉徴収税を引き下げてリラ建て貯蓄を促す姿勢を示した。しかし海外及び国内のリラ放れが簡単に収まる状況にはなさそうだ。 10月22日にはトルコ中銀の金融政策決定会合がある。トルコ中銀は前回会合で4会合ぶりに2%の利上げを決定した直後のために追加利上げへ動かないだろうというのがいまのところの市場コンセンサスのようだ。リラ防衛への手詰まり感が強まればリラ売りに拍車がかかりかねないタイミングと思われる。 【当面のポイント】 トルコリラ円は概ね4か月周期の底打ちサイクルで推移し、4か月毎に主要な安値を付けてきたが、5月7日底から既に5か月を経過してもなお下落基調から抜け出せずにいる。あるいは9月24日の中銀利上げによる一時的な反騰でいったんごく短期的な底を付けたものの既に底割れとなり新たな下落期に入っている可能性もある。中勢としては40週から1年周期の底打ちサイクルで推移しており、2018年8月の通貨危機的暴落でつけた安値以降では、39週目の2019年5月9日、53週目の今年5月7日で底を付けており、すでに今年5月7日安値を割り込んでいるために年明けから来年春にかけての間への下落期の序盤に過ぎないという見方もできる。リラ安情勢を一挙に好転させる状況変化がないと長期的な下落基調から脱却できないのではないかとも懸念される。 (1)短期的には10月15日夜安値13.21円を割り込まないうちは16日深夜高値13.35円超えから13.40円台序盤を目指す可能性があるとみるが、16日夜高値以上は反落警戒圏とし、その後に13.30円を割り込むところからは下げ再開を疑う。(2)15日夜安値割れからは13.10円、13.00円を段階的に試す下落期入りと考える。13.10円前後ではいったん買い戻しも入りやすいとみるが、15日夜安値を割り込んで以降も13.25円以下での推移が続くうちは安値更新へ向かいやすいとみる。(3)10月22日にトルコ中銀が連続利上げに踏み切る場合は13.50円超への一時的急騰を想定するが、前回同様に反騰は短命に終わる可能性もあると思われる。 【当面の主な経済指標等の予定】 10月22日 16:00 10月消費者信頼感指数 (9月 82.0) 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 10.25%) 20:30 週次外貨準備高 (10月9日時点 411.2億ドル)10月26日 16:00 10月景況感 (9月 105.3) 注:ポイント要約は編集部 キーワード: FX情報 為替市況 為替相場予想 チャート分析 シェア ツイート 追加 古い記事へ 関連記事 米ドル(USD)の記事 Edited by:斎藤登美夫 2020.10.19 米大統領選注視も、動意の中心は欧州通貨か(週報10月第3週) 先週のドル/円相場は、ドルが小幅安。ただ、週間を通したレンジは1円未満、105円を一度も割り込めないなど、むしろドルの底堅さが目についた。 米ドル(USD)の記事 Edited by:上村 和弘 2020.10.19 ドル円見通し 105円割れをひとまず回避だが、市場全般のリスク回避感解消せず(週報10月第3週) 10月12日からは再び株安とドルストレートでのドル高、リスク回避的な円高という流れに替わり、105円割れ寸前まで下げたという状況だ。 南アフリカランド(ZAR)の記事 Edited […]
来週はトルコ中銀の政策金利発表がメインイベント 今週のレビュー(10/12−10/16) 今週のトルコリラ円相場は、週初13.45円で寄り付いた後、 Original
トルコリラ円見通し 15日夜に最安値をさらに更新、対ドルでも最安値圏での推移続く 〇トルコリラ円、10/15夜13.21へ安値を切り下げ、最安値をさらに更新〇対ドル、10/15夜7.93リラの安値を付ける、最安値更新への余裕が乏しい状況〇10/22トルコ中銀の金融政策決定会合開催予定、政策金利の行方に注目〇13.30以下での推移中は下向きとし、13.21割れからは13.10前後試しを想定、13.10以下は反発注意〇13.30超えからは強気サイクル入りとみて13.35前後への上昇を想定、13.35以上は反落注意 【概況】 トルコリラ円の史上最安値更新が続いている。10月14日午前安値で13.26円を付けて9日の最安値を更新したが、その後も下落基調が続いており、14日夜には13.23円、15日夜には13.21円と安値を切り下げている。15日朝からドル円は戻しに入り、15日夜以降はメジャー通貨や資源通貨に対するドル高に一服感が出たことでやや戻しているが13.30円に届かずにいる。対ドルでのトルコリラは14日夕刻に7.95リラの最安値更新後も概ね7.90リラ台での推移が続いており、15日夜には7.93リラの安値を付けて最安値更新への余裕が乏しくなっている。 【リラ売り材料の解消へ進めず】 トルコリラの下落背景は外貨準備不足を突かれてのリラ売り、コロナ不況と観光収入の激減及び経常収支悪化、トルコ中銀による利上げにもかかわらず実質マイナス金利状態が続く中で、地政学的リスクとして東地中海ガス田探査によるギリシャ・EUとの対立、ナゴルノ紛争への介在による欧米及びロシアとの対立懸念等、売り材料が揃う状況の中で欧州を中心とした投資家のリラ売りが加速、トルコ国内でもリラ安を嫌ってハードカレンシーへの逃避が進んでいる。 10月15日に発表された週次の外貨準備高は10月9日時点で411.2億ドルとなり10月2日時点の414.1億ドルから減少した。9月序盤には450億ドル台だったものの漸減傾向が続いているが、年初の800億ドル台からは半減に近い減少ぶりだ。 10月22日にはトルコ中銀の金融政策決定会合がある。前回の9月24日会合では市場の現状維持予想に反して4会合ぶりに2%の利上げを決定して10.25%へ政策金利を引き上げたため、市場は強気サプライズとなって13.60円前後の水準から9月25日高値14.01円まで大幅上昇した。しかし9月27日に勃発したアゼルバイジャンとアルメニアによる大規模な軍事衝突=ナゴルノ紛争から急落となり、中銀利上げ効果を一挙に解消してしまった。その後も紛争が長期化し、10月11日の停戦合意後も衝突を繰り返していることでのリラ売りも継続している。トルコ中銀は2%の利上げ直後のために追加利上げへ動かないだろうというのが市場のコンセンサスのようだが、リラ防衛のために動けばサプライズ的な反騰へ向かう可能性もあるものの、現状維持に留まれば金融政策的な手詰まり感を露呈するものとしてリラ売り基調の継続、最安値更新へ向かう可能性が懸念される状況だ。 【60分足一目均衡表・サイクル分析】 概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月9日深夜高値をサイクルトップとした弱気サイクル入りとして13日夜から15日深夜にかけての間への下落を想定してきた。14日夜安値の後は下げ渋っていたために15日午前時点では14日夜安値でボトムを付けた可能性があるとしたが、15日夜へ安値を更新しているために底割れから新たな弱気サイクル入りとなっている可能性がある。ただし15日夜安値からは戻しているので、13.30円を超える場合は15日夜安値を直近のサイクルボトムと改めて強気サイクル入りとして16日深夜にかけての間への上昇を想定する。ただしその場合も戻りは短命の可能性があると注意し、底割れからは次の弱気サイクル入りとする。13.30円を超えずに安値更新が続く場合は14日夜安値を基準としてボトム形成期を19日夜から21日夜にかけての間とした下落継続と考える。 60分足の一目均衡表では15日夜安値からの反発で遅行スパンは好転しやすい位置にあるが、先行スパンを上抜けずにいる。先行スパンを突破してくればいったん戻しに入るとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、15日夜安値を割り込む場合はさらに下落継続へ進むとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。 60分足のMACDは15日夜安値からの反発でGクロスしている。13.30円を超えないうちは次のDクロスから下げ再開とし、15日夜安値割れからはDクロス毎の安値試し優先とする。ただし、13.30円超えからはいったん戻しに入るとみてGクロス中の高値試し優先とする。 以上を踏まえて当面のポイントを示す。(1)当初、15日夜安値13.21円を下値支持線、13.30円を上値抵抗線とする。(2)13.30円以下での推移中は下向きとし、15日夜安値割れからは13.10円前後試しを想定する。13.10円以下は反発注意とするが、下げが加速する場合は13.00円試しへ進む可能性もあると注意する。また13.30円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。(3)13.30円超えからはいったん強気サイクル入りとみて13.35円前後への上昇を想定する、13.35円以上は反落注意とするが、13.30円を超えた後も13.27円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かう可能性があるとみる。 【当面の主な経済指標等の予定】 10月22日 16:00 10月消費者信頼感指数 (9月 82.0) 20:00 トルコ中銀 政策金利 (現行 10.25%) 20:30 週次外貨準備高 (10月9日時点 411.2億ドル)10月26日 16:00 10月景況感 (9月 105.3) 注:ポイント要約は編集部 キーワード: FX情報 為替市況 為替相場予想 チャート分析 シェア ツイート 追加 古い記事へ 関連記事 米ドル(USD)の記事 Edited by:上村 和弘 2020.10.16 ドル円見通し 15日早朝安値から戻すが13日深夜高値にはまだ届かず(20/10/16) ドルストレートでのドル高がクロス円での円高感に勝る展開となってジリ高で戻し、16日早朝には105.49円まで続伸した。 米ドル(USD)の記事 Edited by:照葉 栗太 2020.10.16 ドル円、トランプ米大統領による追加景気対策の増額指示を受けて上昇(10/16朝) 15日(木)の外国為替市場でドル円は上昇。 […]
最安値を更新、対ドルでの最安値更新も続く、地政学的リスク収まらず 〇トルコリラ円、14日夜に13.23まで最安値を更新〇対ドルでは14日夕刻に7.954リラをつけ最安値更新〇トルコは東地中海のガス田探査で探査船を派遣、ギリシャは強く反発するもトルコは探査を強行〇13.33以下での推移中は下向きとし14日夜安値割れから13.10前後試しを想定〇13.33超えから強気サイクル入りとみて13.40前後への上昇を想定 【概況】 トルコリラ円は10月14日午前安値で13.26円を付けて対円での史上最安値を更新したが、その後も下落基調を続けて14日夜には13.23円まで最安値を切り下げている。深夜以降は新たな安値更新を回避しているが13.30円を挟んだ小動きにとどまっており、下落基調の改善が見られない動きだ。東地中海でのガス田探査再開によるギリシャ・EUとの対立、アゼルバイジャンとアルメニアによるナゴルノ紛争長期化とトルコの介在、コロナ不況による経常収支悪化と外貨準備高減少、政策金利を消費者物価上昇率が上回る実質的なマイナス金利状態の長期化、これらに対するエルドアン政権による合理的で効果的な解決方針が見られない状況が続いている中で5月安値を割り込んで史上最安値を連日のように更新する状況から脱却できずにいる。 【東地中海問題とナゴルノ紛争での地政学的リスク増大】 トルコリラは対ドルで10月9日に7.95リラ台まで下落して史上最安値を更新した後はいったん下げ一服となっていたが、12日朝からはジリ安基調に陥り、14日夕刻には7.954リラを付けて9日夕刻の7.950リラをわずかに割り込んで最安値更新となった。 トルコのドンメズ・エネルギー相は14日に東地中海でのガス田探査について調査海域に到着して作業を開始したと発表した。トルコ政府は12日に探査船「オルッチ・レイス」をギリシャが領域と主張するカステロリゾ島付近に向けて派遣し、ギリシャはこれに対し両国間の緊張を大幅に増幅させると強く反発していたが、トルコ側は探査を強行している。トルコ大統領府のカルン報道官はナゴルノ紛争について「モスクワがアルメニア側につくのであればトルコはアゼルバイジャン側につく」、「この問題解決に向けて4ヵ国(アゼルバイジャン、アルメニア、トルコ、ロシア)で協議すべきだ」と発言した。アルメニアが実質的支配をしているナゴルノ・カラバフ共和国側はトルコの交渉参加を拒否している。 エルドアン大統領は14日の公正発展党(AKP)のトルコ大国民議会グループ会議で演説し、「東地中海でトルコとキプロス島トルコ人の権利をないがしろにする計画はどんなものであれ実現不可能であり、トルコは毅然とした態度をすべての人々に示している」、「(アルメニアによるアゼルバイジャンへの攻撃について)ミンスク・グループの3か国は未だに翻弄の策を講じてこの件を片付けようとしている。アルメニアは占領下の土地を返還し、自分の領土に引き下がるべきだ」と述べた。東地中海問題でもナゴルノ紛争問題でもエルドアン政権は強硬姿勢のままであり、金融市場としてはトルコの地政学的リスク増大によるリラ安進行への懸念が弱まる気配が見られない状況だ。 【60分足一目均衡表・サイクル分析】 概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月9日深夜にいったん反騰してからの反落により、13日午前時点では8日深夜安値を直近のサイクルボトム、9日深夜高値を同サイクルトップとした弱気サイクル入りとして13日夜から15日深夜にかけての間への下落を想定した。14日夜安値の後は下げ渋っているためボトムを付けた可能性がある。13.33円を超えないうちは一段安警戒とするが、13.33円を超える場合はいったん強気サイクル入りとみて15日の日中から16日深夜にかけての間への上昇を想定する。ただしその場合も戻りは短命の可能性があり、強気転換してからの底割れにより次の弱気サイクル入りとなる可能性が懸念される。 60分足の一目均衡表では13日早朝への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落し、その後も両スパンそろっての悪化が続いているが、14日夜安値からの下げ渋りで遅行スパンは好転しやすくなっている。遅行スパン好転からはいったん戻しに入るとみるが、その際は先行スパンが上値抵抗帯となりやすいとみる。先行スパンを一時的に超えても再び潜り込む反落となるところからは下げ再開を疑う。また14日夜安値割れからの一段安入りでは遅行スパン悪化中の安値試し優先へ向かうとみる。 60分足のMACDは14日夜からGクロスに入っているのでGクロス中は高値試し優先とするが、14日夜安値割れからは下落基調がさらに続くとみてDクロス毎の安値試し優先とする。 以上を踏まえて当面のポイントを示す。(1)当初、14日夜安値13.23円を下値支持線、13.33円を上値抵抗線とする。(2)13.33円以下での推移中は下向きとし、14日夜安値割れからは13.10円前後試しを想定する。13.10円以下は反発注意とするが、下げが加速する場合は13.00円試しへ進む可能性もあると注意する。(3)13.33円超えからはいったん強気サイクル入りとみて13.40円前後への上昇を想定する、13.38円以上は反落注意とするが、13.30円以上での推移なら16日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。 【当面の主な経済指標等の予定】 10月15日 20:30 週次外貨準備高 10/9時点 (10/2時点 414.1億ドル)10月22日 16:00 10月消費者信頼感指数 (9月 82.0) 注:ポイント要約は編集部 キーワード: FX情報 為替市況 為替相場予想 チャート分析 シェア ツイート 追加 古い記事へ 関連記事 米ドル(USD)の記事 Edited by:上村 和弘 2020.10.15 ドル円見通し 13日朝安値を割り込む一段安、リスク回避的円高感強まる(20/10/15) ドル円は14日夜の下落で13日朝安値を割り込む一段安となった。深夜には105.03円まで下げて105円割れへの余裕が乏しくなっている。 米ドル(USD)の記事 Edited by:照葉 栗太 2020.10.15 ドル円、米大統領選前の追加経済対策合意困難との見方で続落(10/15朝) 14日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。 […]